2025.07.30【事例も紹介】基幹システム開発で失敗しない選び方と注意点まとめ
#基幹

基幹システムの開発検討にあたり、
「どのサービスが自社に合っているかわからない」
「最終的にコスパがいいのはどれなのか」
というご相談が増えています。
そこでこの記事では、失敗しない選び方や、実際に成果が出た事例を解説します。
これから基幹システムを見直したいという方は、ぜひ参考にしてください。
基幹システム開発を検討する企業が増えている背景

近年では、中堅や中小企業を中心に、自社の強みやプロセスにあわせた基幹システムの検討が加速しています。
その背景には、以下の4つの課題が考えられます。
1.ブラックボックス化した旧システムの属人化
かつて導入されたオフコンや汎用機は、何十年にもわたって手が加えられてきたため、内部構造がブラックボックス化しているケースも見受けられます。
その場合、改変できる技術者が限られ、運用負荷が高まる可能性も。
専門人材の不足により、障害対応やバージョンアップも、深刻な属人化リスクを抱える結果となっています。
2.業務に合わないパッケージ導入による非効率化
既存の市販パッケージを導入する企業は多いものの、業務フローとの齟齬が多く、非効率な運用になるケースも珍しくありません。
カスタマイズを重ねることで複雑化し、結果として「後戻りしづらいシステム構造になってしまった」という声も多く寄せられます。
3.部門ごとの情報分断とデータ連携の難しさ
営業・製造・経理など、部門ごとにシステムが分断され、リアルタイムな情報共有や一元管理が難しい状況は、多くの企業が抱える課題です。
システム導入目的の一つが情報のサイロ化解消であることからも、そのニーズの高さがうかがえます。
4.カスタマイズの結果、予想以上のコストと複雑化
最初は標準パッケージで済むつもりが、業務固有の要件を受けてカスタマイズが重ねられ、気付けば「カスタマイズだらけ」のシステムに。
これにより、追加開発費や保守難易度が雪だるま式に膨れ上がり、導入メリットが薄れてしまうこともよくあるケースです。
オーダー開発・パッケージ・セミオーダーの違いとは?
このような背景から基幹システムの開発相談が増えていますが、どのような選択肢が適してるのでしょうか。
ここでは、一般的に検討される手法の違いについて解説します。

オーダー開発(スクラッチ/カスタム開発)
企業独自の業務要件に完全に合わせてゼロから開発でき、自由度・柔軟性ともに高いことが特徴。
しかしその一方で、開発コストの高さと、工期が長期化しやすいという側面もあります。
パッケージ(市販ソフト/ERP)
Fit‑to‑Standard型ですぐ導入できる特徴を持っており、初期費用や導入スピードでの優位性があります。
しかし、標準機能に頼り切ると業務とズレが生じ、非効率になるリスクも。
必要に応じてカスタマイズやアドオン対応もできますが、重ねるほど導入難易度・費用が上がっていきます。
セミオーダー開発
「柔軟性や拡張性」をもち、あらゆる資産を活用したパッケージアプローチもできる効率重視のオーダーメイド手法。
「もう少し業務内容に寄せたい」「必要な機能だけ追加・調整したい」などの要望がある企業にとって、バランスの取れたいいとこ取りの選択肢となります。
要件定義や開発〜運用・保守に至るまで、無理なく段階的に進められるので、低リスクで運用できるのが特徴です。
セミオーダー開発が選ばれる6つの理由
上記のようなそれぞれの開発手法の特徴から、柔軟性や拡張性、自社の強みに合わせてのカスタマイズを重視される基幹システム開発を検討の際は、セミオーダーを推奨しています。
弊社はセミオーダーだけでも、これまでに200社以上をご支援。
そこで、お客様に好評をいただいている要素を6つに絞ってご紹介します。
1.業務にフィットしたUIプロトタイプ設計が可能
セミオーダーなら、実際の操作内容をもとに画面設計を繰り返し、現場の声を反映したUIプロトタイプが作成可能。
導入後も、混乱なくすぐ業務に馴染むことも嬉しいポイントです。
2.外部ソフトやツールとの連携性が高い
各社固有の業務に応じて、既存の経理ソフト・Excelや生産管理ツールなどとの連携機能も柔軟に対応。※
パッケージでは難しい多様なツールとの連動が可能になります。
※財務会計や経費精算・Excel・業務サブシステム・受発注(EC・Web EDI・EDI)・RPA・ハンディ/モバイル端末・IoT・SaaS(例:SFA・Web請求)などに対応
3.部門横断での情報の一元化とリアルタイム分析ができる
営業・生産・財務など、部門を跨いだデータも共通基盤に集約できるメリットもあります。
これにより、リアルタイムでの進捗・原価・在庫管理が可能に。属人的な判断やExcelの転記ミスの減少にも寄与します。
4.長期利用が可能な基盤のため安定運用が可能
パッケージ製品のようにバージョンアップ制約やライセンスの期限に縛られることがありません。
5年・10年後も安定して運用し、業務成長に合わせて機能追加ができる設計が可能です。
5.ライセンス体系が柔軟で、運用後の追加費用が抑えられる
利用ユーザー数・モジュール数に応じた柔軟なライセンス設計が可能に。
これによって、導入後の追加費用も必要最小限に抑えられるため、長期的に見てコストパフォーマンスが良い手段になりえます。

6.システム構想支援から導入、保守までを一貫してサポート
また、弊社では、要件定義・UI設計・構築・テスト・運用支援・保守まで一貫した体制でご支援が可能です。
プロジェクトをスムーズに進行し、要件漏れや属人的な運用に起因する失敗を防ぐサポートに尽力しています。
導入事例3選!成果が出た企業のケーススタディ
ネクステップ・ソリューションズでは、これまでに1万社以上の声を伺ってきました。
その中で、実際に成果につながった事例の一部を紹介します。
事例① 食品卸売業
属人化した業務を標準化し、利益の「見える化」を実現。
・背景と課題
都内に本社を構える食品卸売業のM社様は、原料や加工品を扱う中で、価格変動やリベートの処理など、複雑で属人的な業務が多く存在していました。
特に、
「正しい利益を把握するために時間と手間がかかる」
「価格変更時の作業が煩雑」
などの課題を抱えており、業務の効率化と利益管理の精度向上が急務でした。
・導入内容と成果
そこで弊社は、受発注・売上・仕入・債権債務・リベート処理までを網羅する、販売管理システムをセミオーダーで開発。
単価の一括変更機能や、袋・箱・kgなどの単位変換、リベートの自動計算機能などを搭載し、業務の大幅な効率化を実現しました。

事例② 総合エンジニアリング企業
システム分散を一本化し、営業〜製造〜出荷までの情報をリアルタイムで可視化・共有。
・背景と課題
営業・製造・出荷・在庫といった各部門がそれぞれ異なるシステムで管理されていたY社様では、部門間のデータ連携が煩雑という課題を抱えていました。
Excelで補完を行うことで、転記ミスや情報のタイムラグが業務のボトルネックとなっていたほか、旧来の業務プロセスを前提としたシステムのため、変化への対応にも限界がありました。
・導入内容と成果
全社での業務プロセスを見直しながら、セミオーダーの基幹システムを導入。
業務フローにフィットしたUIやデータ設計を取り入れることで、部門横断でのリアルタイムな情報共有が可能になりました。
属人化していた業務の標準化も進み、出荷や在庫に関するリードタイムの短縮や受注処理の効率化が実現。
また、製造から出荷までの状況を一元的に確認できるようになり、現場の判断スピード向上にもつながっています。
事例③ 製造販売業
複雑な商流と多様な在庫形態に自動対応し、在庫判断と引当精度を改善。
・背景と課題
包装容器の製造販売を行うT社様では、在庫販売や仕入直送、預り・加工管理といった多様な物流・商流形態に対応する必要がありました。
しかし、受注後の在庫引当処理や取引先ごとの対応が煩雑になることから、業務の属人化や処理のばらつきが課題になっていました。
また、通常在庫と預り在庫、別注品など複数の在庫管理が必要な中、リアルタイムでの在庫判断や処理効率の向上が求められていました。
・導入内容と成果
そこで弊社では、商流・物流の複雑さに対応できるセミオーダー型の販売物流システムを構築。
受注登録時に最適な在庫の引当経路を自動で判別する仕組みを導入し、柔軟な引当処理を可能にしました。
また、システム上の在庫整合性を高め、有効・無効在庫の判断がリアルタイムでできるようになり、業務の標準化と精度向上を実現。EDI連携にも対応し、取引先との情報連携もスムーズになりました。

上記でご紹介した導入はほんの一部です。
他にもさまざまな業種での導入・ご相談実績の経験がありますので、近い業態の事例をお探しの方はお気軽にお問い合わせください。
何から検討するのがいい?
基幹システムの開発を検討されている方は、まず最初に、現状業務の流れを整理して可視化することをおすすめしています。
しかし、この「棚卸し作業」も、自社で行うのは難しいという方もいるのではないでしょうか。
そこで弊社では、SORD(ソード)というシステム企画・構想支援サービスを提供しています。
検討段階のお客様を伴走体制でサポート。
支援期間、役割分担、ゴール設定イメージなどを、予算や納期に合わせて柔軟にご提案することが可能です。
「何から考えればいいかわからない」
とお悩みの方は、構想段階から、ぜひお手伝いをさせてください。