2026.01.06建材・設備業界のシステムの選び方|課題と必要機能を事例で解説!
#業務システム

建材システムで「案件ごとの利益が見えない」「在庫や単価管理が複雑」などの悩みを解消しませんか。
建材・設備業の典型的な課題、必要な機能を、3つのシステム比較と4つの導入事例で解説します。
ご担当者様は、ぜひ参考にしてください。
建材・住宅設備業が抱える業務課題とは

建材・住宅設備業は、多段階の商流・多様な商品・案件ごとの個別対応が重なることで、業務が複雑になりがちな業界です。
まずは、その代表的な課題を整理していきます。
システム検討の前提として、参考にしてください。
1.商流・取引関係が複雑で情報が分断しやすい
建材・住宅設備業では、メーカー → 一次卸 → 二次卸 → 工務店・設備業者 → エンドユーザーなど、商流が多段階になるケースが多く見られます。
それぞれの段階で「見積」「発注」「出荷」「請求」が別々に管理されると、
同じ案件に関する情報が部署・担当者ごとに分断され、全体像が把握しづらくなることが課題に。
結果として、問い合わせ対応やトラブル時の原因追跡に時間がかかり、業務負荷やミスのリスクが高まってしまうのです。
2.多品種・小ロットで商品マスタや在庫、納期管理が煩雑
建材・設備商材は、サイズ・色・仕様・メーカーごとの型番違いなど、バリエーションが多くなる傾向があります。
しかも、案件ごとに小ロットで動くことも多く、「どの商品が・どの現場向けで・いつ必要か」をきちんと紐づけて管理しないと、在庫過多や欠品、誤出荷につながります。
3.案件単位で物販・工事・物流経費が混在し、収益把握が難しい
建材・住宅設備業では、単なる物販だけでなく、
・商品そのものの売上や仕入
・施工や取付工事の費用
・配送費や現場搬入費用
などが「1つの案件」の中で混在します。
このとき、案件ごとに売上・原価・経費をきちんと紐づけて管理できないと、「どの案件がどれだけ利益を出しているのか」「どのタイプの案件が赤字になりやすいのか」が見えづらくなり、経営判断の精度が下がってしまいます。
4.受注変更・納期変更が頻発し、業務負荷が高い
現場の状況や施主の意向によって、発注後に仕様変更・数量変更・納期変更が発生することは珍しくありません。
変更のたびに紙やExcelで個別対応している企業は、伝達漏れや反映漏れが起こりやすく、担当者の負荷も高くなってしまうリスクがあります。
5.単価管理の課題
建材の価格は、メーカーごとの仕入条件、キャンペーン価格、数量や期間に応じた特約、
販売先ごとの掛け率・値引条件など、複数の要素が絡み合います。
「誰に・いつ・どの商品を・いくらで売るべきか」を正しく判断するには、
仕入先ごとの価格テーブルと、販売先ごとの条件を組み合わせて管理する必要があります。
これを担当者の属人的な判断に頼っていると、利益を削る値付けや、顧客ごとの条件の取り違えが発生しやすくなります。
6.業界と企業のデジタライゼーション
建材・住宅設備業界では、いまだに電話・FAX・紙の注文書が多く使われているケースも少なくありません。
スピードや正確性が求められる一方で、
・受発注の内容が紙ベースで散在する
・電話口での口頭指示が記録に残りにくい
・二重入力や転記ミスが発生しやすい
といった問題が生じやすくなります。
結果として、せっかくシステムを導入しても、周辺業務がアナログなまま残り、デジタル化の効果が限定的になることがあります。
7.業務優先度の整理が困難
作業工程や引き渡し日程は簡単には動かせない一方、その中で仕様変更への対応を求められるケースも経験があるのではないでしょうか。
納期はそのまま、仕様だけが変わる場合、
・メーカーへの発注内容の変更
・代替品の選定
・在庫や配送の再調整
などを短期間で行う必要があります。
このとき、案件全体の進捗と紐づけて変更内容を管理できていないと、工程の遅延やコスト増加につながることも課題です。
建材業でシステム化が求められている背景

これらの課題は単に「現場で大変」という問題にとどまらず、企業の利益管理や全体最適の意思決定にも大きく影響します。
そのため、なぜ今システム化が求められているのかを理解することが改善の第一歩に。
ここでは、業務課題がどのように経営課題へ波及し、システム化の必要性へとつながっているのかを整理します。
・属人化の排除と情報の一元管理が不可欠
建材・住宅設備業界は、多段階の商流や多品種・小ロット特性などにより、日々の業務が複雑化しやすい構造を持っています。
この複雑さは、単なる「業務負荷の増大」にとどまらず、企業の利益や競争力に直接影響を与えることもしばしば。
そのため、近年では業務プロセスを可視化し、正確で迅速な意思決定を行うためのシステム化が求められています。
・案件ごとの利益管理をリアルタイムで把握する必要性
業界内では、商品販売だけでなく、施工・配送費・現場対応などが案件単位で発生します。
そのため、売上・原価・経費を正確に紐づけないと、案件ごとの利益が正しく把握できません。
リアルタイムに利益状況を把握できれば、
・赤字リスクの早期発見
・利益の高い案件構造の分析
・最適な価格設定
など、経営判断の精度が大きく向上します。
この「案件単位の原価・収益管理」を手作業で行うことは難しく、システム化の必要性が一層高まっているのです。
・在庫・仕入・売上の同期により、意思決定の精度を向上
建材・住宅設備は、多品種・小ロットで流通し、メーカー取り寄せ品も多いため、在庫と仕入状況を正確に把握することが重要です。
在庫情報・仕入状況・売上見込みが同期されていないと、
・欠品や過剰在庫の発生
・納期回答の遅れ
・誤った仕入判断
のような問題につながります。
システムによって情報をリアルタイムで同期させることで、適切な在庫水準の維持、メーカーへの発注タイミングの最適化、正確な納期回答などが可能に。
業務全体の精度を高めることが期待できます。
・業務効率化とミス削減が利益に結びつく
商品の単価に対して物流費や人件費などの付帯コストが大きく、「人的ミス・手戻り・余計な工数」がそのまま利益を圧迫する構造になっていることも特徴です。
業務プロセスの自動化や入力の一元化によって、
・伝達漏れ
・入力ミス
・重複作業
などを削減できれば、手間やコストが大幅に削減され、利益率の改善に直結します。
このため、システム化は単なる効率化ツールではなく、「収益向上のための投資」として捉えられるケースが増えているのです。
建材業向けシステムに必要な機能

1.建材業特有の単価・属性管理
建材業では、メーカー・品番・規格・仕様・色・長さなど、多数の属性が商品マスタに紐づきます。
さらに、仕入先ごとの仕入条件、販売先ごとの掛け率・特約・キャンペーン価格など、複雑な単価体系が絡み合うため、システム側のマスタ管理が追いついていないと、値付けミスや利益の取りこぼしが起きやすくなります。
建材向けシステムでは、これら複数の属性を正確に管理し、仕入条件と販売条件を組み合わせた「正しい販売価格」を自動で算出できる仕組みが求められます。
2.案件原価管理
建材の取引は、商品単体の売買だけではなく、現場搬入費用、配送費、施工費などが案件単位で発生することが多い業界です。
そのため、単なる「商品別の粗利」ではなく、案件をひとつの単位として、
・売上
・仕入
・外注費
・物流・付帯費用
などを一元的に管理し、リアルタイムで利益を把握できる仕組みが必要に。
案件ごとの採算が正確に把握できれば、赤字案件の兆候を早期に把握し、適切な価格設定や手戻り防止にもつながります。
3.EDI・外部システム連携(商流が多い業界特性)
業務の中では、メーカー・一次卸・二次卸・工務店など、複数の事業者が関わる商流構造が一般的です。
そのため、メーカーが提供するEDI、Web受発注システム、販売管理システム、物流システムなどとの連携が重要になります。
商流が多い業界だからこそ、システム側の連携力が重要な選定ポイントと考えましょう。
4.柔軟な帳票出力
建材業では取引先によって、
・見積書
・納品書
・請求書
・発注明細
などの形式や項目が異なるケースが多く、帳票フォーマットの柔軟性が求められます。
システム側でフォーマットを変更できない場合、帳票修正が手作業で発生し、業務負荷とミスのリスクが高まってしまうことに。
そのため、取引先ごとのフォーマットに柔軟に対応できる帳票出力機能 が必須になります。
5.変更管理(受注変更・納期変更に強い仕組み)
建材業では、現場状況や施主の意向による仕様変更・数量変更・納期変更が頻繁に発生します。
このとき、変更が、
・見積
・発注
・在庫引当
・出荷
・請求
など、複数のプロセスにまたがることも珍しくありません。
変更が正しく反映されていないと、出荷遅延や誤請求につながるため、「変更が起点となって関係情報が自動的に書き換わる」仕組みがシステム選定の重要ポイントとなります。
変更履歴を残しつつ、正確な情報に更新できる機能が必要です。

導入ポイントにしたい建材向けシステムの選び方
建材業に適した機能が整理できた後は、自社に最適なシステムをどのように選ぶかが重要になります。
特に建材・住宅設備業は、企業ごとに商流・業務フロー・扱う商材が大きく異なるため、以下の点を押さえるポイントとしてご検討ください。
■建材向け機能が標準で備わっているか
パッケージソフトを検討する場合は、単価体系や属性管理・頻発する変更対応など、建材業特有の業務が追加開発なしで対応できるかを確認しましょう。
標準機能の充実度は、導入コストと運用負荷に直結します。
■自社業務に合わせて柔軟にカスタマイズできるか
企業ごとに商流・帳票・業務フローが異なるため、標準機能が合わない場合にどこまで調整できるかが重要です。
自社業務へフィットできる拡張性も確認したいポイントです。
■導入後の運用負荷を軽減するサポート体制があるか
システムは導入して終わりではありません。
マスタ運用や設定変更、トラブル時の相談など、現場を支えるサポートがあるかが、定着と成果に直結します。
■段階導入(スモールスタート)が可能か
建材業務は範囲が広いため、一括導入は現場負荷が大きいことがあります。
まずは受発注や在庫など、優先領域から段階的に立ち上げられる仕組みが有効です。
おすすめシステム3つを紹介
上記のような条件を満たし、かつ、様々なシーンで検討ができる選択肢を3つご紹介します。
1.セミオーダー開発型システム

「自社の業務に合う既製品がない」という企業に最適なのが、セミオーダー開発型のシステムです。
自社の業務フローや管理項目を柔軟にカスタマイズが可能。
導入スピードと独自性を両立できる強みを持っています。
また、フルスクラッチよりも短期間・低コストで導入でき、運用後も段階的な拡張が行える点も魅力です。
こんな企業におすすめ:
・現行システムに合わない業務が多い
・標準パッケージでは柔軟性が足りない
・既存Excel運用から脱却したい
セミオーダー開発型システムの詳細はこちらから
2.Progress-One 業種テンプレート

Progress-One業種テンプレートは、特定の業種に特化して開発されたテンプレートを活用するシステムです。
・テンプレートベースのスピード導入
業種や業務プロセスに合わせた汎用テンプレートを活用し、設計工数を抑えた導入が可能です。
・高度な標準化とカスタマイズ性の両立
標準業務層と業務改善層を切り分けるテンプレート構成により、必要に応じた柔軟な対応をできることも特長。
こんな企業におすすめ:
汎用的なシステムでは物足りないが、カスタマイズに多くの費用や時間をかけたくない企業や、同業他社の成功事例を参考にしたい企業。
Progress-One 業種テンプレートの詳細はこちらから
3.Empower-X

Empower-Xは、メーカー(製造業)に求められる生産・購買・在庫・原価などの管理を、
ひとつのプラットフォームで包括的にカバーする「メーカー向け統合システム」です。
・製造業に必要な機能を標準で網羅
BOM構成、MRP、工順、負荷情報、手配、在庫、仕入、原価など、製造業務の中心となるプロセスを標準機能で一貫管理が可能に。
・生産・調達・在庫・原価の横串管理
生産計画から調達、仕入、出庫、在庫、原価計算までのデータが一体化し、部門間の連携がスムーズに。管理会計にも活用できる精度の高い情報基盤を構築できるのが特長。
こんな企業におすすめ:
・原価・在庫・手配などをバラバラの仕組みで管理しており、一元化したい企業
・生産計画〜調達〜仕入〜原価まで、製造プロセス全体の可視化を進めたい企業
Empower-Xの詳細はこちらから
導入による効果と事例4選はこちら
実際にどのような変化が期待できるのか、販売管理システムを導入した企業の事例をご紹介します。
事例①:建材/建機卸売業 A社
●背景と課題
・従来はオフコンによるレガシーシステムを使用しており、機能の膨れ上がりが発生していた。
・建材卸業特有の商習慣(口銭など)を伴うBtoB取引に対応したいというニーズがあった。
・工事(短納期)と物販両方の業務を扱うため、それぞれに対応した機能実装が必要だった。
・全国に拠点があり、導入時に各拠点への丁寧な支援・教育が求められていた。
●導入内容と成果
・建材卸売業向け「Progress-One 建材商社向けテンプレート」を活用し、Fit to Standard で刷新。
・案件(プロジェクト)受注・発注・請求・支払、在庫、債権管理などを一元管理できる仕組みを導入。
・工事や物販業務の両立に対応し、案件単位の受発注・実績・請求・仕入・売上計上を紐づけて管理できるように改善。
・マイメニューやマスタ管理の共通化、債務管理・会計連携なども実装し、業務プロセスを統合。
・案件・受注・発注・請求・支払の横串での一元管理により、受注枝番・検収連携・製品分類など、細かな項目を保持した分析が可能に。

事例②:建具メーカー・商社 B社
●背景と課題
・旧来の基幹システムがレガシー化し、画面操作性や一部機能の制約が業務効率の阻害要因となっていた。
・工事・物販の両業務を扱うにもかかわらず、情報が分散しており、工事・物販を統合されたデータベースで一元管理できる体制が整っていなかった。
・データが点在し、管理会計に必要な情報の統合が難しく、経営判断に必要な指標の早期把握が困難だった。
・引合・工事登録、受注、社内手配、社外手配、仕入、売上(工事・物販)と、商流・業務フローが複雑であり、業務単位でのリードタイム短縮と可視化が必要だった。
・仕入処理や購買データ作成に手作業が多く、購買プロセスの省力化(EDI対応含む) も大きな課題だった。
●導入内容と成果
・オフコンからオープン化し、操作画面の踏襲と最適な改善を加えながら、新基盤への移行に成功。
・工事・物販の両業務を 1つのデータベースで統合管理 する仕組みを構築し、管理会計の一体化を実現。
・データフローを、受注〜発注〜仕入〜売上まで通貫で管理できるようにし、リードタイムの短縮とSCM(サプライチェーン管理)の実現に寄与。
・EDI発注データを自動生成する仕組みにより、購買プロセスの省力化を達成。
・データベース統合により、品目別・商品分類別・拠点別・担当者別 など多角的な分析が可能になり、経営判断の高速化と可視化を強化。
・工事・物販売上の双方を一元で処理できるため、部門横断での情報共有が進み、業務プロセスの整流化に貢献。

事例③:建設資材商社 C社
●背景と課題
・仕訳登録や手形登録など、財務会計に必要な処理を既存システムで対応していたが、運用面・機能面で制約があった。
・工事管理と販売管理(資材)の双方を扱う業態にもかかわらず、業務データが分散しており、統合的な管理基盤の整備が課題だった。
・グループ会社間での会計データ連携が必須だった。
・長期利用を前提とした安定したシステム基盤が必要で、10年後も最小限の改修で利用できることが求められていた。
●導入内容と成果
・「Progress-One」業種テンプレートを導入し、工事管理(施工)+販売管理(資材)の両業務を一元化。
・仕訳登録、手形登録などの機能も基幹実装し、業務に合った形での会計処理を実現。
・グループ会社の会計システムと連携可能な仕組みを実装し、会計データの受け渡しを効率化。
・工事登録・仕訳登録画面を中心に業務プロセスを整理し、入力から計上までの一連処理を標準化。
・テンプレートベースの導入により、将来的なアップデートや改修範囲を最小限に抑え、10年後も必要最低限の対応で継続利用可能な基盤を確立。

事例④:組立品メーカー(個別受注生産) D社
●背景と課題
・データが複数のシステムやExcelに分散し、乱立した管理方法を統合できていなかった。
・業務ルールが拠点・担当者ごとに異なり、統一された業務プロセスの再構築が必須だった。
・経営判断に必要な管理会計情報(案件・部門別損益など)をタイムリーに取得できず、BIレポーティングによる迅速な意思決定のしくみが求められていた。
・個別受注生産のメーカーであり、見積精度向上・コミュニケーション機能の整備・ナレッジ化が課題だった。
●導入内容と成果
・散在していたデータベースやExcelを統合し、一元化されたデータベースへ再構築。
・受注、構成(BOM)、出荷、売上、請求、入金、MRP、手配確定、発注、仕入、支払、在庫、月次、原価配賦など、基幹システム機能を一つのプラットフォーム上で統合管理。
・管理会計情報をリアルタイムで確認できる仕組みを構築し、案件単位・部門別損益の早期把握を実現。
・個別受注生産に必要な 受注毎構成品管理・MRP・手配確定 に対応し、受注〜生産〜仕入〜出荷までのリードタイムを可視化。
・プロジェクト管理機能を導入し、工事・物品の受注、採算管理、検収分割 など、現場運用に即したプロジェクト単位の管理を実現。
・グループ会社製造を含む複数拠点でも統合データベースとして運用できる体制となり、データの一貫性・精度が向上。

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