2026.02.20生産管理ソフトウェアで何ができる?管理領域・方式の違い・システム導入事例を解説
#生産管理

生産管理ソフトウェアの基本から選び方まで解説。
管理の軸、方式の違い、ソフトウェアのタイプ別特徴に加え、おすすめシステムも紹介します。
ネクステップ社ならではの導入事例も掲載しているので、ご担当様はぜひ参考にしてください。
生産管理ソフトウェアで何を管理できるようになる?

生産管理ソフトウェアは、製造業の一連の業務フローや、管理業務を支える仕組みを持っています。
まず押さえておきたいのは、計画生産・受注生産といった生産方式の違いにかかわらず、共通して必要になる管理領域が多いという点です。
生産方式によって運用の前提や優先度は変わっても、業務の中で管理すべき対象は共通して発生することが多く見られます。
例えば下記のような領域は、生産管理ソフトウェアで管理できる代表的な例です。
生産計画:受注・需要をもとにした製造計画の立案
生産計画は、「いつまでに」「何を」「どれだけ作るか」を決める工程です。
受注情報や需要見込み、在庫状況などを前提に、製造の段取りを組み立てていきます。
・計画生産→需要見込みを起点に計画を立てる
・受注生産→受注情報を起点に計画を立てる
という流れになりますが、いずれの場合も製造に必要な情報を整理し、計画として落とし込むという意味では共通しています。
製造指示:現場への作業指示・製造オーダー管理
生産計画で決めた内容を、現場で実行できる形に落とすのが製造指示です。
どの工程で何を作業するのか、どの順序で進めるのかといった指示を、製造オーダーとして管理します。
計画と現場作業の間に「指示の抜け」「伝達のズレ」があると、進捗の把握や在庫の整合性に影響が出やすくなってしまうことも。
生産管理ソフトウェアであれば、計画を指示に変換し、実行に移すための起点を明確にすることが可能です。
進捗管理:どこまで作業が進んでいるかの把握
進捗管理は、製造の各工程が「今どの状態にあるか」を把握するための領域です。
遅れや停滞が発生している工程を把握できれば、納期への影響やリカバリーの要否を判断しやすくなります。
計画生産でも受注生産でも、最終的には「予定どおりに作られているか」「遅れがあるならどこで発生しているか」を見える状態にすることが重要です。
進捗管理も、生産方式を問わず重要な管理対象になります。
在庫管理:原材料・部品・仕掛品・製品の管理
在庫管理は、原材料・部品・仕掛品・製品といった在庫の状態を把握する領域です。
必要なタイミングで必要な数量を確保できているか、逆に余剰が発生していないかといった判断に直結します。
生産方式が異なっても、製造に必要な材料や部品が不足すれば生産が止まり、仕掛品や製品の在庫が把握できなければ出荷・納品に影響が出てしまいます。
原価管理:製造にかかるコストの把握
原価管理は、製造にかかるコストを把握し、採算や改善の判断材料にする領域です。
材料費・加工費・外注費など、どの要素がどの程度かかっているかを把握できれば、価格設定や原価低減の検討にもつながります。
計画生産・受注生産のどちらであっても、製造を継続するうえで採算性の確認は不可欠な要素です。
計画生産・受注生産の違いと考えるべき視点

生産管理ソフトウェアを検討する際、最初に整理しておきたいのが「自社の生産方式はどちらに近いか」という視点です。
ただし、計画生産と受注生産には優劣が存在するわけではありません。
どちらにも特徴があり、企業の製品特性や顧客要件、供給体制によって採用される考え方が異なります。
計画生産と受注生産の基本的な違い
計画生産:
需要予測や過去実績、販売計画などの見込み情報をもとに、あらかじめ生産計画を立てて製造を進める考え方です。
製造の段取りを事前に組みやすく、一定のペースで生産を進める運用と相性が良い場合があります。一方で、計画を立てるためには、需要の見通しや在庫状況など、判断に必要な情報を整理しておくことが前提になります。
受注生産:
顧客からの受注を起点として、生産や調達を進める考え方です。
受注内容に合わせて仕様・数量・納期が決まるケースもあり、注文ごとの対応が重要になります。
受注を受けてから動き出すため、何をいつまでに用意し、どの順序で作業を進めるかを、受注情報と連動させて管理する必要があります。
製造業の多くは生産方式が一つとは限らない
実際の製造現場では生産方式を併用しているケースも少なくありません。
そのため、生産管理ソフトウェアを検討する担当者の中には、「自社は計画生産なのか、受注生産なのか」と問われても、明確に答えづらい方も多いのではないでしょうか。
まず多いのが、製品・顧客・ロットによって、生産方式が混在するケースです。
例えば、定番品や繰り返し注文が見込める製品は需要を見ながら計画的に作り、特注品や仕様が都度変わる製品は受注を起点に生産する、といった形です。
同じ会社の中でも、「A製品は計画生産」「B製品は受注生産」といったように、製品群ごとに運用が分かれていることがあります。
また、表向きは計画生産でも、実態は個別対応が多いケースも存在します。
例として、見込みで生産していても実際には顧客ごとに仕様の差分があったり、納期の調整や一部工程だけの優先対応が頻発したりする場合、運用としては受注生産に近い管理が必要です。
担当者としては「計画どおりに流しているつもりでも、都度の調整が当たり前になっている」という状態が起こりやすく、結果として自社の生産方式を一言で言い切れない状況が生まれるのです。
・併用の具体例
例えば金属加工や樹脂加工のように、定番部品を一定量見込みで作りつつ、顧客ごとの寸法・仕様違いの注文にも対応する業態が挙げられます。
定番形状の部品は計画的に生産し在庫を持つ一方で、図面変更や仕様違いがある案件は受注を起点に手配・加工を進める、といった併用が発生しやすい典型です。
同様に、装置・機械の組立を行う業態でも、標準モデルはある程度計画的に部材を準備しつつ、顧客要件に応じて構成部品やオプションが変わる部分は受注後に設計・調達を進める、といった形で、計画生産と受注生産が併用されることもあります。

生産管理は「方式」より「管理の軸」が重要
生産方式を併用している企業でも、生産管理で扱うべき対象そのものが大きく変わるわけではありません。
多くの製造業では、BOM・在庫・進捗・キャパシティ・原価といった管理対象が共通して存在し、それらをどう扱うかが生産管理の土台になります。
生産方式による違いが表れやすいのは、例えば次のような点です。
・計画生産:
「先に作る」運用になりやすいため、計画の精度と、計画どおりに流せているかの管理が重要。
そのために、在庫の状況や部品・材料の所要量、工場の稼働可能量(キャパシティ)などを前提に、無理のない生産計画を組み立てる仕組みが必要。
・受注生産:
「受注内容に合わせて作る」運用になりやすいため、受注情報と生産・調達の連動が重要。
受注ごとの仕様差分、必要部材、納期、工程の順序といった情報を整理し、製造指示や調達に落とし込み、進捗と納期を結び付けて把握できる仕組みが求められる。
このように「必要な仕組みの重点」は異なりますが、どちらの場合でも、BOMが整っていなければ部材手配や所要量計算の前提が揺らぎます。
在庫が正しく把握できなければ欠品や過剰の判断が難しくなり、進捗が見えなければ納期に対する判断が遅れてしまいます。
つまり、生産方式の違いがあっても、共通して管理すべき「軸」があり、その軸をどう整えるかが生産管理の要点になります。
さらに前章で触れたとおり、現実の製造業では計画生産と受注生産が併存することも多く、「どちらか一方に最適化された仕組み」だけでは運用が噛み合わない場面が出てきます。
そこで本記事では、特定の生産方式に限定せず、製造業全般に共通する観点として、「生産管理の考え方」と「整理すべき管理の軸」を取り扱っています。
生産方式を先に断定するのではなく、多くの管理対象をどう整理し、どの順序で検討すればよいかを把握することで、自社に合った生産管理ソフトウェアの検討が進めやすくなるのでおすすめです。
どのようなタイプがある?ソフトウェアの考え方を解説

パッケージ生産管理ソフトウェアの特徴
パッケージとは、あらかじめ用意された機能や画面、業務の流れ(運用の前提)が一定の形で整備されており、企業はその枠組みの中で導入・運用を進めていくタイプのソフトウェアを指します。
特徴の一つは、標準機能が整理されている点です。
生産計画、製造指示、進捗、在庫、原価といった、生産管理で一般的に扱う領域があらかじめ体系化されており、導入時に「どこから整備するか」を検討しやすい傾向があります。
機能の全体像が見えやすく、導入後にどの業務をどの画面で扱うのかもイメージしやすいことがポイントです。
一方でパッケージは、企業側の業務がその形と合わない場合、業務をシステムに合わせる必要が出るケースも。
例えば、管理したい単位(案件・製品・ロット・工程など)や、現場での入力・承認フロー、部門間の情報連携の仕方が自社固有である場合、標準機能の枠内で運用を組み立てる必要が生じます。
つまり、標準化された機能を活用して導入しやすいメリットがある一方で、運用の前提が合うかどうかを事前に見極めることが重要です。
セミオーダーの特徴
こちらは、あらかじめ用意された枠組みをそのまま当てはめるのではなく、自社の業務フローや管理単位に合わせて要件を決定し、設計開発・導入するタイプの生産管理ソフトウェアを指します。
製造業では、製品特性や生産形態、現場の運用ルールが企業ごとに異なるため、標準機能だけでは運用しづらい場面もあります。
セミオーダーは、そのようなケースで、業務に合わせた設計ができることが強みです。
例えば、管理したい単位が
・「案件」「製番」「ロット」「工程」などどこにあるのか
・BOMの持ち方や手配の考え方がどうなっているのか
・担当者はどのタイミングで実績を取りたいのか
といった前提は、企業によって異なります。
個別対応型では、こうした前提を整理したうえで、入力・承認・集計の流れを含めて設計できるため、運用とシステムのズレを最小限に抑えられるのです。
一方で、セミオーダーでは、標準機能をそのまま使うのではなく設計を伴うため、要件整理の質が重要になる点も押さえておく必要があります。
どの業務をどの単位で管理するのか、担当者は何を入力し、どの情報を誰が見て判断するのか、といった前提が曖昧なままだと、導入後の運用負荷や期待とのズレにつながりやすくなります。
つまり、セミオーダーは「自社に合わせられる」反面、検討段階での業務整理・要件整理が、そのまま成果を左右しやすいタイプだと言えるでしょう。
要件整理におすすめのサポートも
上記のように、要件を整理することが重要性の高い要素ですが、「どこから手をつければいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そうした場合は、弊社のSORD(ソード)というシステム企画・構想支援サービスをご活用ください。
SORDは、検討段階のお客様を伴走体制でサポートするサービスです。
業務整理や要件整理を進める際に、関係者間の認識合わせを含めて整理を支援し、検討の土台を整えることを目的としています。
また、SORDでは、支援期間、役割分担、ゴール設定イメージなどを、予算や納期に合わせて柔軟にご提案することが可能です。まずは「現状整理から始めたい」「比較検討に入る前に検討軸を明確にしたい」といった段階でも相談できるため、生産管理ソフトウェアの検討を進めるうえでの一つの選択肢としてご検討ください。
生産管理ソフトウェアにおすすめのシステム3つを紹介
これまでの課題や考え方をふまえ、要件にマッチする可能性の高いシステムをご紹介します。
1.Empower-X

Empower-Xは、生産管理と販売管理を一体で運用できる統合型システムです。
リアルタイムでのデータ共有により、経営層・管理部門・現場の情報連携をスムーズにし、意思決定の迅速化を支援します。
シンプルなUIを採用しているため現場への定着を図りやすく、複数拠点を持つ企業でも統一した運用が可能です。
クラウド環境にも対応しており、導入・保守の負担を抑えながら柔軟な拡張を実現できることも特長。
また、生産・在庫・受注などの情報を横断的に管理できるため、属人化の防止や業務の標準化にも寄与します。
こんな企業におすすめ:
・生産管理と販売管理をまとめて最適化したい
・拠点間の情報共有を強化したい
・クラウド型システムを検討している
・システムの乱立を解消し、運用をシンプルにしたい
・将来的な事業拡大に備えたい
2.セミオーダー開発

「標準パッケージでは自社の業務にフィットしない」という企業に適しているのが、セミオーダー開発型のシステムです。
自社の生産フローや管理項目に合わせて設計できるため、過度な業務変更を行うことなくシステム化を進められます。
フルスクラッチほどの時間やコストをかけずに導入できる一方で、独自の業務にも対応可能。
さらに、導入後も段階的な機能追加や改善を行いやすく、中長期的な運用にも向いています。
特に、製造条件が多岐にわたる企業や、工程管理・品質管理など独自ルールを持つ企業にとっては、「既製品では不足しがちな部分を補える」現実的な選択肢と言えるでしょう。
こんな企業におすすめ:
・自社特有の生産フローがある
・パッケージ導入時の業務変更を最小限にしたい
・将来的な拡張を見据えてシステムを導入したい
・Excel中心の管理から脱却したい
3.Progress-One販売管理(ファブレス向け)

本来は外注比率の高いファブレス企業との親和性が高いシステムですが、製造を外部委託している企業や、受発注・在庫・原価管理を重視する企業にとっては参考になる選択肢です。
業種別テンプレートを活用することで、導入までのリードタイムを短縮しながら、自社業務への適合度も確保。
発注・仕入・在庫・原価を同一基盤で管理できるため、収益構造の可視化にもつながります。
また、外注先の生産状況や在庫の動きを把握しやすくなることで、需要変動への対応力向上も期待できます。
自社で製造を行う企業だけでなく、「一部工程を委託している」「在庫と収益の見える化を強化したい」といったケースでは、有効な管理基盤となるでしょう。
こんな企業におすすめ:
・製造工程の一部を外部委託している
・在庫・原価・収益の可視化を強化したい
・外注先との連携をスムーズにしたい
・テンプレートを活用し、短期間で導入したい
テキストの説明だけでは、わかりづらい部分もあると思います。
まずは要件整理からサポートさせていただくことが可能ですので、システムを検討されている方は下記からご相談お待ちしております。
お問い合わせはこちらから
【3選】事例でわかる改善効果はこちらから
実際に上記のようなシステムを導入した企業には、どのような変化があったのでしょうか。
ここでは、3つの例をご紹介します。
事例①:小型モーター製造業
・背景と課題
A社は、システムが分散していたことにより計画の連携が取れておらず、納期が競合に比べて約10日長いという課題を抱えていました。
・導入内容と成果
生産・販売・輸出入・原価管理を統合した統合データベースを構築し、設計開発領域のPDMと連携を行いました。
これにより、分散していた業務データを、一つの基盤で管理できる環境を整備に成功。
統合データベースでは、国内販売管理、購買管理、輸入管理、生産管理、原価管理、在庫管理、出荷管理、月次管理などを管理領域として備えており、業務全体を横断した管理が可能になりました。
また、取引先マスタや品目マスタ、品目構成マスタなどの各種マスタを管理し、人給・会計および勤怠管理との連携にも対応できるようになっています。

事例②:乳製品・清涼飲料メーカー
・背景と課題
B社は、日配品の受注から出荷まで、一連のプロセスを管理する必要がありました。
また、日々発生する生産計画の変更に柔軟に対応できる体制も課題に。
加えて、予算登録・販売計画・原乳管理・生産計画など、複数の業務がExcelで管理されていたことから、管理情報の可視化も求められていました。
・導入内容と成果
そこで、日配品の受注から出荷までのプロセスを統合管理できる仕組みを構築。
これにより、一連の業務を横断して管理できる環境を整備しています。
また、予算登録・販売計画・原乳管理・生産計画などをシステム化することで、管理情報の見える化を促進しました。
さらに、学校給食専用のWEB-EDIを実現したことで、数量変更などの日次業務における負荷軽減も実現しています。

事例③:金属熱処理業
・背景と課題
C社は金属熱処理業を営んでおり、仕様書・作業指示・作業実績・温度管理など、加工内容ごとに必要な情報が多岐にわたっていました。
また、鉄特有のサイズ(径・肉厚・内径・長さ)の管理に加え、加工ごとのノウハウ(温度・速度・レポート)も適切に扱う必要があり、管理の複雑化が課題に。
加えて、グループ企業ごとに異なるシステム(ACCESSやパッケージ)を使用していたため、情報が分散しやすく、迅速な意思決定を妨げる要因となっていました。
・導入内容と成果
そこでC社は、各加工に必要な項目やノウハウをシステム化し、グループ企業ごとに分かれていたシステムを単一データベースへ統合しました。
これにより、データを一元的に管理できる環境が整い、必要な情報を横断的に把握できるようになりました。
結果として、判断に必要なデータへ迅速にアクセスできる体制が構築され、早期の意思決定に貢献しています。

上記でご紹介した企業様は、これまで弊社が支援をさせていただいた例のごく一部です。
他に近しい導入事例をお探しの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
このようなご相談でも、システム企画・構想支援サービスのSORDが役立ちます。
支援期間、役割分担、ゴール設定イメージなど、予算や納期に合わせたご提案をすることができますので、
「何から考えればいいかわからない」
というご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。
ご相談はこちらから
